音楽

「お前は音楽に頼りすぎ」

最近言われてハッとした言葉だ。

昔からそうだった。好きというより精神安定剤などの薬を摂取するような感覚で音楽を聴いてきた。

サッカー一筋で生きていた小中学生の頃、試合の前には必ずMr.BigのTo Be With Youを聴いて気持ちを落ち着かせていた。高校生になってからは授業中以外はほとんどイヤホンをつけて、weezerやらoasisを聴いて周りとの関係を遮断していた。今でもそうだ、外に出てはイヤホンが手放せず、家に帰ってはすぐにパソコンから音楽を流し、悲しいときも嬉しいときもいつだって音楽を頼りに生きてきた。そういう風に精神を保ってきた。

昨夜、イヤホンをつけずに近所を散歩してみた。犬の鳴き声、電車の音、どこからともなく聞こえる笑い声、風の音、風でなびく葉音、自分の足音、アスファルトの匂い、どれもが新鮮で五感に響いた。こんなに変わるものなのかと心身ともに震えた。身体が喜んでいるような気がした。

これからは音楽だけに頼って精神を保とうとするのはやめにしよう。人を、言葉を、自然を、あらゆるものを深く信じて生きてみようと思う。